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【デイリーニュース】vol.16 『ミドリムシの夢』真田幹也監督と出演者 Q&A

長編デビュー!「駐車監視員(ミドリムシ)」の着想は監督の苦い経験から

(左から)『ミドリムシの夢』の富士たくやさん、ほりかわひろきさん、真田幹也監督

 

国内コンペティションの出品作『ミドリムシの夢』は、これまで20本の短編を手掛けてきた真田幹也監督の初長編。駐車監視員のコンビが、いつもと同じように切った違反切符がさまざまなトラブルを引き起こし、次々に周囲の人々を巻き込んでいくテンポのいい群像劇だ。

 

アイデアの発露は、真田監督自身が駐車違反の切符を切られた苦い経験。

「何でこの人たちは堂々としていて、自信満々に切符を切るんだろうという悔しさもあって、ネットで調べたらミドリムシと呼ばれているし、日本一嫌いな職業にも挙げられていた。この人たちで何か話が作れたら面白い」と、登場人物の構成などをプロットにおこし、富士たくやとほりかわひろきの主演コンビを当て書きして太田善也が脚本を仕上げた。

 

ほりかわと真田監督は、10年ほど前に舞台で共演した旧知の仲。ほりかわと富士は、さらにそれ以前の飲み会で知り合っており、真田監督は「一緒に何かやろうと言ってから4年近くかかったが、2人と映画をやろうと決めたときにこれが面白いと思った作品。初めての長編を上映できて感慨深い」と喜びをかみしめた。

 

事前のリハーサルやワークショップなどは一切行わず、「プロの方々に来てもらうのだから、それぞれが考えたものを『よーい、ドン』で出していただき、いいところをチョイスすれば形になる」と真田監督。

ほりかわは「実は2人でこっそり練習した」と自慢げに告白。だが、富士が「1回、台本を読んだだけで、全然やりたがらなかった」と暴露し、会場の笑いを誘った。

 

ロケは東京・新宿駅の周辺でも行い、ロングショットだったため、富士が「あの衣装(監視員の制服)を着て2人で立っていると、ものすごく道を聞かれた」と爆笑エピソードを披露。

ほりうちが、「昔から知っていて仲がいいので、怒られないように真剣にやった」と主張すると、真田監督がすかさず「あなた、真剣にやると面白くないでしょ」とツッコむなど随所に息の合ったところを見せた。

 

それだけに、10日間の撮影期間のうち3日は夜明けに至るほどのハードスケジュールだったが、真田監督は「できうる限りで、最高のものが撮れた」と自信たっぷり。

自ら編集も手掛け、「芝居やセリフを生かすための構成を考えるのに、短編の4倍は頭を使った。難解なパズルのようなものだけれど、面白味がある。もっといいものを撮りたくなった」とさらなる意欲を見せていた。

 

ミドリムシの夢』の次回上映は7月20日(土)11時から映像ホールで行われ、ゲストによるQ&Aも予定されている。