2014 総括

 

11回目の開催を迎えたSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014。今年は7月19日(土)~27日(日)の9日間開催されました。今年の新たな試みとして、コンペティション部門にアニメーション部門(国内コンペティション)を新設。これまでの長編部門(国際コンペティション)、短編部門(国内コンペティション)と合わせて、コンペティション3部門での上映となりました。さらに大宮ソニックシティでのサテライト上映を実施するなど、これまで以上に若手映像クリエイターの発掘・育成と、映像産業の発展・振興へ向けた取り組みを強化したプログラムでの開催となりました。

 

今年のオープニング作品は、イギリス映画『サンシャイン/歌声が響く街』を上映しました。本作のデクスター・フレッチャー監督は、初監督作品『ワイルド・ビル』が2012年本映画祭長編部門にノミネート。英国大ヒットミュージカルを映画化した本作は、8月の劇場公開に先駆けて本映画祭でジャパンプレミア上映となり、華々しく映画祭の幕開けを飾りました。

 

コンペティション部門では、世界84の国と地域から長編部門536本、短編部門128本、新設のアニメーション部門には63本の計727本の応募があり、その中から厳選された長編部門12本、短編部門12本、アニメーション部門14本の計38作品を会期中に各2回上映。上映に合わせて国内外から監督・出演者をはじめ多数のゲストが来場し、上映後のQ&Aなど観客の皆さまとの交流を図りました。

 

長編部門では、孤独な男が自らの殻を破り人生を再発見していく姿を描いた『約束のマッターホルン』(オランダ/ディーデリク・エビンゲ監督)が、最優秀作品賞に輝きました。さらに日本作品『螺旋銀河』(日本/草野なつか監督)が監督賞・SKIPシティアワードをダブル受賞。女性日本人監督の監督賞受賞は初の快挙となりました。短編部門では『押し入れ女の幸福』(日本/大橋隆行監督)、アニメーション部門では『夕化粧』(日本/胡ゆぇんゆぇん監督)がそれぞれ最優秀作品賞を受賞しました。

 

 

 

 

大宮ソニックシティで行われたサテライト上映では、埼玉県秩父市を舞台設定にしたアニメ『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』を上映。さらに聖地巡礼プロデューサーの柿崎俊道氏をゲストに迎え、「アニメの聖地・埼玉」をテーマにしたトークショーも開催されました。

 

そのほか毎年好評の「シネマ歌舞伎」では『高野聖』、音声ガイド・字幕付きの「バリアフリー上映」では大ヒット作品『永遠の0』を上映。また本会場のSKIPシティ映像ホールでも『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』を上映し、好評を博しました。

 

関連企画も多数行われました。埼玉の魅力を映像で紹介する「コバトンTHEムービー」では、春日部市の伝統工芸、桐箪笥をテーマにした『一葉の桐』(福山功起監督)と東秩父の自然を題材にした『むらとうたう』(早坂亮輔監督)を上映。未来の映像クリエイターである子どもたちが制作した映画を上映する「カメラクレヨン」では川口子ども映画クラブの2013年度制作作品と、札幌の中学生が制作した2本を上映しました。

また若手映像クリエイターが持ち寄った新作企画に対し、映画プロデューサーをはじめとしたアドバイザーが講評を行う「企画マーケット in SKIPシティ」を開催。さらに「機動戦士Zガンダム」などのプロデューサーを務めた株式会社サンライズ会長の内田健二氏をゲストに迎えた「~アニメDAY特別上映イベント~TVアニメ「ケロロ軍曹」誕生の秘密」では、アニメーション制作にまつわるトークショーや、テレビアニメ「ケロロ軍曹」の特別上映を行うなど、映像を切り口に多彩なプログラムで映画祭を盛り上げました。

 

例年以上の盛況を博したSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014も無事に全日程を終了しました。これからも本映画祭は世界に羽ばたく若手映像クリエイターの登竜門としてより一層の発展を目指し、開催してまいります。


※掲載の肩書きは当時のものです。


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